エンジン屋さんが他界してしまった後、
エンジン・リビルトやファインチューニングは受注しないようにしておりました。
https://www.saclam.com/todays/honda/
しかし
倉庫の奥には下取りしたNSXやS2000のエンジンが何台か眠っておりまして
リビルトベースで販売してもそれなりの値段にはなりますので
しばらくこのまま取っておいても良いかと考えていたのですが
元同僚のエンジン屋さんから・・早期退職し個人で事業始めましたと言う・・コンタクトがありました。
https://www.saclam.com/todays/vw/2024/03/50.html
これも神の思し召し♪
中古エンジンを一台彼に託して・・在庫用のリビルトエンジンを用意すべく・・進める事となりました。
(ちなみに弊社のF君もK20系のエンジンを何台も組み換えした経験者ですが、)
(機械加工業務が忙しくってエンジンリビルト迄は手が回らなかったの・・・・。)
その先問題となって来るのが交換部品の確保でありまして、
S2000の場合にはシリンダー摩擦面付近は、鉄系の繊維をアルミブロックに鋳込んだ構造のため
摩耗が進んでいる個体が多いのです。
悪い事に純正オーバーサイズピストンや交換用ブロックの供給が途切れてしまっておりまして
そう簡単にはピストンクリアランスを規定値に戻せないのです。
標準サイズのピストンなどは数セットずつですが、数年前に純正品を購入してはありますが
既にその時オーバーサイズの供給は無くなっていたのです。
アルミシリンダーを採用したのエンジンの場合
F355や空冷ポルシェの様にアルミシリンダーにニカジルメッキを掛けるか
S2000, 2ZZ、500Eの様にピストン側への鉄メッキ処理が
必要で
アルミ同士を直接こすり合わせる訳にはゆかないのです。
https://www.saclam.com/todays/todays_saclam/2017/08/nsx-02r.html
https://www.saclam.com/todays/todays_saclam/2006/05/e500.html
今回分解した走行12万キロオーバーのAP1エンジンも
当然ながらシリンダボアサイズが規定値を超えていましてこのまま再使用はしたくないレベル。
あれこれ思案していたところ、マーレー社でS2000向けのピストンが商品化されていると言う話を聞き、
*************** マーレ―の技術 **************
1980年当時埼玉県の某バイクメーカーは
2サイクル純レースエンジンの鋳鉄ライナーを軽量化のためにアルミシリンダー化したのです。
当然・・・ダイナモ上で焼き付き・・・対策でシリンダー壁にクロームメッキ処理を施すが
ペロリとクロームメッキが剥がれ落ちる事もあり困っていたそうな。
・・・・
そこでマーレ―社が開発したニカジルメッキ処理が良いと知り
ポート研磨作業の終わった水冷シリンダーをすべてドイツに空輸していた・・・。
ちなみに秘密基地製の市販水冷シリンダーキットも全てドイツまで送り同じ処理を施していた。
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マーレ―社の商品であれば・・・当然ながら・・・何らかの対処がされていると思い、
輸入元の27モータースさんに問い合わせてみたところ、
アルミシリンダー向けの交換用ピストンには、摩擦面となるスカート部分に
ゴールドコートと言う特殊朱里がされているとの事!
https://www.youtube.com/watch?v=lUfWw5XqG_0
一般的な一層の樹脂コートではなく、金属繊維層を含む3層構造で
表面の樹脂コートが磨滅してもアルミ合金同士のこすれ合いが起きない仕組みらしいのです。
で・・早速購入してみました!
お値段は一台分で15万円ほどいたしますが・・・なかなかの出来♪
そこらへんで売られている交換ピストンとはレべチな出来上がりです。
この側面部分に張り付けられているのがゴールドコート。