先日仕様の決定したMEGANE-RSのエキゾーストサウンドについて
早速
ご質問いただきました。
文章上で・・・・排気音を説明する事は・・・限りなく難しく困難でありますので
これまで開発してきました
TURBO向け排気管類を紹介かたがた
狙った方向性など説明させていただきます。
SACLAM社で手掛けた4発TURBOエンジン用の排気管は
1.
(先代の)
MEGANE-RS
元M5乗りでありました・・・・・ロクさんの押しに負け
ワンオフ製作したのがきっかけです。
https://www.saclam.com/short_topics/megane2/megane2.html
https://www.saclam.com/diary/050801/050801.html
丁度
147TS用に開発していた新型ユニットが有りまして
これを
MEGANE用にサイズアップして・・・・・転用したのでありますが
なかなかよろしい具合でしたため
小改良を加えたうえで・・・・商品化となりました。
この147TS用のサイレンサーユニットは
M5やM6用ユニットのベースとして転用されたり
2ZZ用サイレンサーも
このユニット図面に
一つ音響構造を作り足し・・・・進化させたものでありました。
ある意味
7年前の・・・・SACLAM万能ユニットなので・・・・・あります。
2.
(先代の)
AUDI TT 1.8 FF TURBO
https://www.saclam.com/diary/051116/051116.html
魅力的なスタイリングを持つ
この時代のTTクーペ
でしたから
興味津津で開発作業させていただきましたね!
2ZZELISEや147TS等
当時は・・・・・・パリパリ&ぺりぺりと過激な炸裂音を・・・・追及しておりましたので、
それが出来ないTURBO車の排気音
心地よい音にはなりましたが・・・・ワイルドさ不足に戸惑い
・・・・
少しばかり・・・・低周波を・・・入れてみたり
迷いの出てしまった
一品でした
。
3.
R56COOPER-S
過激な炸裂音が特徴の
(我が社のベストセラー排気管である)R53COOPER-S用サイレンサーキット
に対し
曖昧になってしまったR56TURBOエンジンの発する排気音。
音量を上げてみたり絞ってみたり・・・・様々な模索をしてみましたが
・・・・
結局
・・・・・・・
当時NAエンジンで目指していた高周サウンドを目指すと
いくらメイク&トライを繰り返しても、良くならない。
頑張りすぎると・・・下品になるばかり
なのでした
。
しかし
メイク&トライを繰り返しているうちに
床下から侵入してくる唸り音の心地よさが耳にとまり
・・・・・
これを深化させる方向で
R56用の音作りを進めたのであります。
4.COPEN
軽自動車とは言え
とても良く出来たメタルトップとスタイル
指をくわえてみているだけでは・・・飽き足らず
結局排気管を作りこんでしまったのです。
https://www.saclam.com/todays/todays_saclam/2007/12/post-493.html
同じ4発TURBOとはいっても、このエンジンの発する音圧は小さく
上記の機種達とは一線を画す排気音作りをが必要となりました。
元々の音圧が低いので、低周波部分のみを減衰する小形の専用ユニットを新作し
結果として
車のキャラクターにピッタリのサウンドが
完成いたしました。
音質が柔らかく音量も適度ですため、
5~6時間運転を続けても心地よさが続く
体と耳に優しい・・排気音であります。
5.R55クラブマン
R56の時にチャレンジして上手く行かなかった
高周波とワイルドさに再度チャレンジしたのですが
いくど作り変えても
ただ単に下品になってしまうだけ。
発送を逆転させて
車格に合わせ
低周波を思いっきり消しこみ・・・・中域の薄鳴・・・・のみを聞かせる
ジェントルなマフラーにしてみました。
5.ABARTH
このやんちゃ車には・・・・やんちゃな音が似合うはず。
(純正状態でもかなりやんちゃで良い音なのですよ。)
丁度NAロードスターで
パリパリ・ぺりぺりとは
一味違う
(探し求めていた)鳴き音を再現出来た頃でしたため
TURBOサウンドの新境地を目指しての再チャレンジでありました。
6.GOLF5 GTI ピレリ、シロッコR、 GOLF-R
この3台とは随分長い間お付き合いする事になりまして
・・・・
そして
随分と多くの事を・・・・勉強させていただきました。
偶然の産物ですが
棒状レゾネーターの特殊な使い方を発見し
音質も・・・・・・・・・・この時を境として・・・・・・・・随分と改善させる事が
出来ました
。
唯一
残念だったのは
素早すぎるDSGのキックダウン と 低圧ターボの反応の速さが災いし
快音 と 加速騒音基準
を
両立させた排気管が
開発出来なかった事・・であります。
単に静かなマフラーなら・・・・・・・作れましたが・・・・それじゃ意味ないのです。
ワンオフさせて頂いた・・・シロッコーRの排気音は
・・・・
この年のベストサウンドと・・・自負しております。
7.
そして
現行MEGANE-RS
基本的に・・・・このエンジンの発するサウンドは・・・・・GOLF・GTI系と同一
でした。
しかし
VWのフラッグシップ達とは異なり、
ルノーの排気管チューニングは・・・・・とても控えめでありました
。
おそらく
この車のオーナーさんたちなら
誰もが・・不満に感じられる部分で・・・あると思われますが
・・・・・・・・
スポーツカーであるのに・・・・エキゾーストサウンドが・・・・・聴こえないのです。
しかしマニュアル・ミッション車なので
余計なキックダウンが無く
(我々にとっては・・厄介なDSGでない事が・・・嬉しかった♪)
頑張った音圧に作り込んでも
加速騒音規制を・・・・・・・・・・クリアできそう!
(STD状態ですと・・・加速騒音値は72db位なのであります。)
と言う事で
VW系の3機種で培った
調音テクニック
と
NB8開発時に見つけた・・・基本原理を・・・・合体させ
久々に・・・・ワイルド方向で・・・・・チャレンジングな・・・・排気管を
作ってみようと
・・・・
ワクワク気味に・・・・・・メイクアンドトライを
開始したのでありました。
出来上がった排気音の特徴は以下の通りです。
6000rpmレブリミットのエンジンでありますから
高回転での鳴きは・・・・・一瞬しか楽しめないため・・・・・無意味です。
(過給音に掻き消されてしまいますしね。)
ですから今回は
VW系のSACLAMサウンドを・・・・・改良し
3500rpm近辺から・・・・・レブリミット手前までの
広い領域(250~500Hz帯域)での
・・・
2倍音、3倍音を
際立たせるよう・・・・・作りこんでみました。
また
VW系の4発TURBOフラッグシップ車達の時よりも
・・・・
あえて100Hz近辺の低周波を・・・・はっきり聴かせる方向で残しましたので
常用域においても・・・・・・標準車とは違う・・・・特別な車である事を
無意識のうちに意識されるのでは
と
期待しています。
音圧は
ここ最近のSACLAM管
に対して
少々・・・・・大き目で・・・・・ワイルド!
窓を閉めた状態でも
床下からの・・・・・うなり鳴きが・・・・室内に・・・・侵入してきます。
・・・・
窓を5~10cm程開き
反響壁の近くを・・・60%負荷程度で・・・・・加速させますと
・・・・・・
うなり鳴きに混じって
ワンオクターブ上の・・・キレイな鳴きが・・・・・が聞こえるかもしれません!