20年近く前
6発ミッドシップ・べース・・・・改造コンプリートカーの開発担当隊長になってしまったことがあります。
4発1.6リッターの・・FF車しか・・・・扱った事が無いのに・・・・汗!
一千万円近くする・・・・ほぼスーパーカーと呼べる・・・・車両です。
この車の足回りを決めるのに
タイヤも金型起こして・・・新作したり・・・・・ダンパーもエンジニア付きでサポート
そして、鈴鹿や筑波、西仙台等に行き、
超一流理論波と言われるドライバーやF3チャンプにまで乗ってもらったんですが、
全然良くならないのです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・足が・・・・・。
結局は・・一年後・最後のテストラン・・・・・・
JARIの総合試験路で・・・・へたっぴながら・・・自分で振り回してみて・・・・・判りました。
スポーツカーとして・・・・ダンパーの押しが軟過ぎてたのです。
(何回も作りなおしたんだけど・・・・振り幅が・・・全く足りなかったのだ!)
一番の問題は・・・・・自分がドライバーのコメントから・・・・・・車両の運動特性を・・・・想像できなかった事で。
(その時代のドライバー・・・・・抽象的な事しか・・・・・言わんのよ・・・・・・。)
結構な費用を消化して得られたノウハウは・・・・・
フロントキャンバーの影響度と・・・・・フロント押し側の変更による・・・ターンイン特性。
まったく・・・・・今時のサーキット小僧(おやじ?)だったら・・・・・・・15分で判っちゃうよね!
しかし・・・ここで・大切な事を・・・学びました。
走りが判らん人は・・・・足のセットアップなど出来ない・・・・と言う事が!!!
*そんな奴は・・・セットアップ作業・・・・・やっちゃダメだ!
・・・と言うんじゃなくって・・・・・・
下手でも判るまで・・・・・・・・走れ!・・・・と言う事。
何事においても・・・・それが基本です!!!!!
まあ・・・・この無茶苦茶なプロジェクトは・・XX億円使い込んだところで・・・途中で中止されました・・・。
ちなみに・・・・・・・・・・・・あたしは・・・・・一級戦犯です!!
さて、その後
それぐらいで懲りるような・・・・あたくしでは・・・・・ありませんから・・・・、
新車が発表されるたび・・・・足回り部品も開発しなきゃいけないんで
車変われどテーマは一緒・・・・なのでね・・・
JARIとか・・・・
工業試験場やら・・・・・・・
部品メーカーとか・・・・
タイヤメーカーさんのテストコースを借用し
(へっぽこなんで・・・・峠やストリートは・・・・・やりません・・・。)
足回りに玉入れしながらの・・・
あ~でもないし・・・・・こ~でもない・・・・っと・・・・
自己啓発に励んできたのです。
まあ・・・しばらくの間は・・・・FF車ばかりですから・・・・・・・
あたしくらいでも・・・・・そこそこなんとかなっちゃいました。
で・・・・・
第2の難物は・・・・
10年後にやってきたのです!!
それが・・・・奇色号・・・・・・・・・ねっ!
今度は・・・・上手くやるんべ♪ ・・・・・・と決意!
自分でも一台オーダーし
プロドライバーでのサーキットテストと並行し、
JARIのスキッドパン(ウエット)とか・・・・・で・・・・自身で運転。
しかし・・まあ・・・・・・難しいのなんのって・・・・
V6ミッドより・・・・コントロールが・・・・・難しかった
あ~でもない・・・・こ~でもないを・・・・繰り返し
ウエットじゃあ無くって・・・・ドライなスキッドパンが使いたくって・・・
一番よろしげなテストコースを持っている
と・有るタイヤメーカーの・・・・・テストコースを使わせていただきました。
先ずは・・・毎日高速テストされている・・・・上級のテスト・ドライバーさんに
OS/US特性の安全速度での確認方法や、
OS気味車両で・・高速ターンを行うときの回避法など教わって
(目から・・・・鱗でした・・・・・・・・。)
70Rスキッドパン(ドライ)で・・・・・旋回ドライブ
70Rの白線に乗せながら・・・だんだんスピードあげてくと・・
先ずは前輪がハジョウして・・・外側に膨らんでく・・・。
で・・・・アクセルをチョイ戻しすると・・・・・・車があっちこっちにむき出して
・・・・・下手すると・・・スピン・・汗!
こんなはず無いのにな~~~~~っと思って・・・・何回も・・・やりなおす。
で・・・・握り替えを何回も行うようなカウンターステアが・・・・取りあえず身につき始める。
回りに何にも無い・・・スキッドパンだから・・・・怖くは無い・・・。
車が・・・・可哀想なだけだが・・・・・会社の車だし・・・。
しばらくこんなことを繰り返していたら・・・・・
と・・有る事に気が付いた。
アンダーが出たとき・・・・
アクセル放して・・・・
前輪荷重に持ってくのだけれど・・・・・
すぐには・・アンダーは・・・収まらない。
で・・・・・通常は
あわてて・・・・又アクセルを踏んじゃうのが・・・・・・人の常・・・。
しかし・・落ち着いてアクセルをそのまま放してると・・・・・・アンダーは収まる・・・。
逆に・・・・・オーバーに陥った時・・・・・・・アクセルを踏む!!!
しかし・・・テールスライドは・・・・・すぐに収まらない・・・・・??????
で・・・・通常は・・体が・・・「やばい!」と感じ・・・・・
アクセルを戻しっチャう・・・・
そして・・・スネーキング・・・・。
でも・・・・・落ち着いて・・・・・
スピン覚悟で・・・・踏み続けいると・・・・・・
リヤの流れが収まる・・・。
何回も・・・・何回も・・・・・・・・確認し・・・・・・
やっぱりそうだよ・・・と確信。
どうやら・・・・・初期奇色の・・・・足って・・・
アクセルの操作に対して・・・・・
前後輪の接地荷重が・・ワンテンポ遅れて変化するのだ。
これを・・・・リヤの伸縮を抑えた仕様にしてみたら・・・・・・・
滑り出しの速さこそ・・・・・・増したのだけど・・・・・
アクセル操作に対する車両の反応遅れは・・・・無くなった。
今考えてみると・・・・トリッキーな特性も・・・・慣れっちゃえば普通になっちゃうし・・・・・
自動車メーカーの開発テストドライバーたちは・・・・
それに慣切ってしまい、それを通り越した所で・・・・チューニングしてたんだと・・・思う。
でも・・・・そりゃ・・・・・普通の人には・・・・・・危ない車だよ。
プロレーサーでも・・・乗り初めは・・・スネーキングしてたもん・・・。
さてさて・・・・奇色号の足回りでね、
もうひとつ・・・・へっぽこなりに・・・・・見つけた事が・・・・あった。
それはね・・・・・特にリヤ側の車高に・・・・旋回特性が大きく影響される・・・事。
とっても広~い・・直線コースで・・・・・・
タイヤメーカーのテストドライバー(レーサーではありません)さんに教わった方法です。
120km/h位の速度でね・・・・・・左右に何回も・・・2車線分のレーンチェンジを行うのですが・・・・
そのとき走らせたS2K・・・・・右と・・左で・・・旋回特性が違うのです。
どちら側かは・・・忘れましたが・・・・・・・・
片側アンダー・・・・反対側オーバー・・・・と言う動きだったの。
で・・・・・アライメント図りなおしたり・・・・・・
4輪の接地荷重をチェックしたけど・・・・
左右の車高が数ミリ不揃いな以外は異常なし。
会社に戻って・・・・・・ダンパーテスターにかけたり・・・・・
スプリングレートをチェックしたけれど・・・・・左右差はない。
でも・・・次のテストで・・・・車高あわせて走行したら・・・・・治ってた!!
いまどきのチューニングカーに比べれば・・・・・全く軟い8kgぐらいのバネなのに・・・・、
何故か・・・・・奇色号は・・・・・車高の変化にシビアでした。
ダンピングやスプリングレートを変更したときより・・・・・・
体感の変化は・・・・・・大きかったと思います。
そんな訳で・・・・・リヤを固めて・・・・・・姿勢変化させないようにしっちゃえば・・・・・
トリッキーな動きは抑えられるのじゃないかと思います。
その代わり・・・・・スライドが始まっちゃうと・・・・・・
一瞬の遅れも許してもらえませんから・・・・
初期型奇色号で・・・無謀なチャレンジは・・・・しないようにね。
さてさて・・・・・今回・・・・SKRさんにお願いした・・・・イニシャルセットアップですが・・・・・
フロントキャンバーが・・・・あたしの好みより・・・・チョイついてる・・・。
フロントをアンダーぎみに逃がしてくれる方が・・・・・・
好きなんだけどな~と思ったのですが・・・・・、
(実際は・・・・・もう・・・・そこまで・・絶対に・・攻めません・・・。)
交差点でチョコンとパルス入力したくらいでは・・・・・
お尻は・・とりあえず・・・・・流れません。
(調整前は・・・・・・・凄かった~。)
どうやら・・・・・・お尻を落ち着かせるために・・・・・・
リヤ車高を落としといてくれたのが・・・・・
効いたみたいです。
(何故だか・・・・・大体どんな車でも・・・・・・これが効きますが・・・
奇色号は・・・特にそうなのじゃないでしょうか??)
フロントのネガキャンを大きくしたんで・・・・・
チョイと・・その分・・・・・トーアウトにしてくれました・・・・。
中立付近のステアリングリアクションが弱くなっちゃって・・・・・・
直進位置があいまいで・・・・・好きな方向ではないのですが、
不正路面からステアリングホイルへの外乱が弱まって・・・・・・・
ハンドルを抑えつける事が少なくなったみたいです。
ガチガチに硬化したタイヤだけれど・・・・・・
大分マイルドに感じられるようになりました。
どうもありがとう!!!!!
あたしは・・・・・一般路をトロトロ走るだけですが・・・・・・
走り屋さんへの代車出動と言う場合もありますので・・・・・・ね!!
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開発作業中・・・・
その時には解決できなくっても・・・・・
次の機会に・・・・次のステップを踏めるよう・・・・
考え続ける事って・・・・・・
とっても重要だと・・・・・・・・・・・・思います!