BMW M3 排気管開発!

 

BMW M3(E36 M3C)のエキゾーストを造ることになった。
まずはSTDの排気管から見てみよう。

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STDの排気管は1,2,3気筒、4,5,6気筒と前後3気筒ごとにまとめられている。
その後バランスパイプやサイレンサー内部での集合はあるものの基本的にフルデュアル構造。

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エキマニのプライマリー径は38o、触媒までが52o、触媒後が60.5oのパイプ径でまとめられている。

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  前から後ろまでこんなに太い排気管で構成されていることにびっくり!メーカーのやることだから見掛け倒しではないはず。どの様に消音しているのか?リアサイレンサーの中身を見たくなった。
自分達の知らない構造で効率的な消音が行われていれば、チューニングパーツの出番はない。
 
   
   
     
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  オーナーの許可も取らずに、早速グラインダーでカット開始。
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  ようやく切開できたと思ったら、なんと玉葱の皮を剥いた様に次の皮が出てきた。なんという凝った造りだ!
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  再度内側のシェルを切開。ようやく中身がみえてきた。
 
   
   
     
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  フルデュアルの外観から、直管構造を予想していたのだが、なんと実際にはパンチングパイプの目を通してガスを排出。さらにファンネル等も見当たらない。排気抵抗のかたまりだ。これだったらもっと性能の良い物は出来る。
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  大口径のフルデュアルパイプを使っているのに、サイレンサーの中でこんなことするなんてナンセンスだ!
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開発のつじつま合わせを消音機屋に預けてしまったのか?!
疑問は残るが、しかしその造りと素材の良さに脱帽。

 

エキマニは下手なチューニングパーツ等、足元にも及ばないほどの出来を誇るE36 M3の標準品。
果たしてこれ以上の物が出来るだろうか?

 
   
     
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  前後3気筒ごとにまとめられた2分割タイプ。プライマリーパイプは非常に狭いスペースの中に収められているため、とても複雑なレイアウトとなっている。
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材質は薄肉のステンレスパイプだが、詳細は不明。意外にも断熱のための二重管や保温材は無く、熱害防止のための遮熱板が車体側に装着されているのみ。
冷間始動時の排ガス対策などは十分なのであろうか?

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  プライマリーパイプには大変高度なパイプ曲げ技術が適応されているようだ。通常この手のパイプ曲げはパイプ径の1.5倍の値を最小曲げRとするが、なんと38oパイプに対しR38の200°曲げが適応されている。
この製法はちょっと想像がつかない。どーやっているのだろう?

 
   
   
     
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  排気ポートはレース用エンジンのように長方形。(55o×31o)
しかし入口からたった25oの区間(ロストワックス製ヘッドフランジ部分)でいきなり36oの円形断面に収束させられている。
これではちょっとツライのではないだろうか?
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プライマリーパイプ外径は38oは出力最優先の設定ではない。また長さもおおよそ500oで、やはり少し短い。
この排気ポートヘッド側はレース用に改造されたときのことを優先して作られたのか?

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  写真はE46 M3のエキマニ。E36と見比べてみると、後者の方に軍配を上げたい。
セカンダリー長が前後で違うので6気筒のきれいな排気音は出ない。この点E36は良く出来ている。
 
   
   
     
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  エキマニ単体で比べると、E36 M3の方が物造りの妥協点がより高いところにあるように思える。
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  E46 M3はプライマリーパイプ径こそ2o大きくなっているが、長さはより短く、ポート部フランジはプレス製で形状も円形。
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  仮に新しいほうが高性能でも、物造りへのこだわりは薄い。  
   
   
     
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  集合部分は52oパイプ端部を拡販一体成型してあり合理的。
この方法でもパワーロスは微々たるもの。ただし反射波の発生地点が変わるので長さの設定には注意が必要。
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  E46の4,5,6番の集合部直後にジャバラフレキが入っているのは前後3気筒ずつに分離されたエキマニの長手方向誤差を許容するためか?
縦置きエンジンの回転揺れを吸収するための仕掛けが見当たらない。大丈夫なのだろうか?
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  エキマニの取外しには5時間もかかってしまった。 まずエンジンルーム側からエキマニフランジにボルトオンされている上側遮熱板を外す。側面の遮熱板やホース類の間を無理抜きしなくてはいけない。多分エンジン搭載のままエキマニを外すのは反則技で、本来はエンジンを降ろして作業をするのだろう。  
   
   
     
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  次にエキマニヘッドフランジを固定している24個のM7ナットを緩めるのだが、実はこのナットが曲者だった。ナットの座面側が渋くできている。おそらく安全のためにこの様なセルフロック構造としたのであろうが、ナットがスタッドから外れるまでずーっとスパナ作業を強いられた。ラチェットが使えるところが少ないため本当に大変な作業だった。
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  下側のフランジはごく普通に外すことが出来、「さてエキマニ本体を外すか」と頑張ったけれど、1,2,3気筒側が外れない。
スタッドからフランジが抜けてこない!!
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  結局エアーポンプとコンプレッサーを宙ぶらりんに浮かせ、ようやく本体を外すことが出来た。  
 
これらの作業を通じ、E36 M3排気管の概要が分かった。
1.エキマニプライマリーパイプ径は「経験値ベストより少し細め。
2.プライマリーパイプ長さもベストより短め。
3.リアサイレンサーは排気抵抗の塊。おまけに重い!

以上の3点からSACLAMの排気管コンセプトを決めた。
1.エキマニのプライマリー径は42.7o、長さ750oトップエンドでの快感を狙う。
2.触媒部分を含む中間部は60.5o。フルデュアル構造なので、STDをそのまま使用。
3.リアサイレンサーは基本的にストレート構造を保ち、流路を分岐し排気音を干渉消音する。
 

このへんで開発の進行状況を報告しておこう。

 
   
     
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  レイアウト中のSACLAMエキマニ。
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  ゲージのようなものは現車から反転してきた障害物の位置を表す目安。
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  試作中のエキマニを現車に組み込み、下側からのぞいたところ。  

 

 
     
     
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  プライマリー長750oを確保するための苦労がお分かりいただけるであろうか?
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  こちらは試作中のサイレンサー。
SACLAMオリジナルの消音構造だ。