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FRPモデルの製作。今回はポリエステル樹脂を使用する。クルマにワックスをかけるときと同じ要領で、薄く均一になるように塗り、ウエスで磨き込む。   2   型の合わせ面や、裏面などはしっかりマスキングする。今回は型をバラしたまま積層し、後に組立てる。  

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  使用したワックスはミラーグレース。  
     
4   確実な離型のために、さらにリゴラックを塗る。薄い離型皮膜を作るためだ。   5   リゴラックを水で2倍に薄め、スポンジに浸す。スポンジをよく絞って、型面にリゴラックを塗る。   6   ポリエステルゲルコートの用意をする。ゲルコート(POLYTON)に硬化剤 (パーメリックF)を2%程入れる。  
     
7   アセトンで薄め(10%くらい)、スプレーしやすい程度に調整した。   8   吹きむらのないように吹きつける。普通の塗料よりはかなり厚めに。   9   ポリエステルゲルコートを吹きつけた状態。  
     
10   硬化するまで最低1時間程度は待つ。   11   続いて、ポリエステル樹脂のパテ(糊のようなもの)を作る。   12   材料となるアエロジール。これは粘りを出すためのポリエステルの中空粉。  
     
13   もうひとつの材料も粘りを出すためのタルク。蝋石の粉だ。   14   ポリエステル樹脂にタルクとアエロジールを調合し、よく混ぜる。そして、適度な硬さ(糊ぐらい)になるように調合する。   15   次にガラスマットを細かく切ったものを入れてよく混ぜる。糊の強度を確保するため。  
     
16   必要量の樹脂パテ(糊)をパレットに取り出し、硬化剤(パーメリックF)を数滴落として混ぜる。   17   マットを張り込むのが跳ねたりして困難そうなところ(アールのきついところ、溝、窪みやエッジ等)に樹脂パテを塗り込む。   18   同様の処理をすべての箇所に行なう。  
     
19   ポリライトに硬化剤「パーメリックF」を0.5〜1%程度入れた樹脂でガラスマットを貼り込む。   20   ガラスマットを二重に貼り込む。   21   樹脂でガラスマットを貼り込む。  
     
22   フロント部分の型にもパテを盛る。この写真ではパテを使いすぎ。   23   パテが多いと寸法精度が低下し、製品強度も下がる。   24   マットが重なり合う部分は、手でちぎり取るようにして、合わせ面に段ができないようにする。  
     
25   アールのきつい部分は面ごとにマットをカットして貼り込む。   26   マットの上に樹脂を落とす。グラスウールをポリエステル樹脂で固めたものがFRPだ。寸法精度や強度の必要な部品を作るときは、樹脂の比率を下げ、グラスウールの比率を上げることが重要。写真の作業は樹脂が多く、硬化後の寸法のズレが心配。   27   ローラーでマットの中や下に入った空気を脱泡する。力ずくでやらないこと。  
     
28   半硬化したらカッターナイフではみだした部分をカットする。   29   これをやっておかないと型を組み立てることができない。   30   同様の作業を行なう。  
     
31   それぞれ貼り終ったところ。   32   リヤ部分はこのようになった。   33   フロント部分はこのように。  
     
34   完全に硬化する前(30分〜1時間後ぐらい)に、型の合わせ面からはみ出した部分をカッターナイフでカットする。切りやすい硬さは非常に微妙。   35   見る見るうちに硬くなってしまうため、まさに時間との戦い。   36   すべてきれいにカットし終えたら、型を組み立てる。  
     
37   このように型を組み上げる。   38   バラバラだった型の合わせ面の部分は、テープ状に切ったグラスマットでつなぎ合わせるように貼り込む。   39  

貼り込む前に、隙間を埋めるために軟らかめに作った樹脂パテを、押し込むように詰めていく。

 
     
40   詰め込みが終了した状態。   41   FRPモデル脱型FRPモデルを型から取り出すために、写真のようなパレットナイフを使ってまず隙間を作る。   42   その隙間にプラスチックの波板をカットしたヘラを差し込んでいく。  
     
40   このような形状のプラスチックのヘラを使って脱型する。   41   フロント部分が外れた。   42   今度はトップ部分を外すため、隙間にヘラを差し込む。  
     
43   全体にヘラを差し込むので、ヘラは少し多めに用意すること。   44   トップ部分が外れた。   45   同様にしてリヤ部分も外していく。  
     
46   最後に側面を外す。   47   側面が外れた。   48   やっと全部外れた。なかなか外れないのでけっこう大変な作業だった。  
         
49   これでFRPモデルの製作が完了。                  
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